右脳系との出会いが多い。カンナ

おとといは休日で、着物屋さんの店頭に、『白雪ふきん』が置いてあったので、どの柄にしようかと物色していた。
このふきん、発色がきれいで、何回洗っても色あせないし、綿の素材も良いし、吸水も良くて、かなりお気に入りなんです。

すると、身長180cm以上はある、もの凄くスリムで、着物を着たコワそうな男性店員さんが近寄ってきた。

仕方なく、「前に買ったことがあるのだけれど、蝶や桜の柄はないのですか?」と尋ねたところ、
ふきんのパッケージをひっくり返して裏面を見せ、
「蝶は今、置いてないですね。
じゃあ、いまから僕が、この製造元に電話して、取り寄せますよ。」と言い、私の返事を待たずに、奥にあるコードレスフォンで電話をかけ始めた。

「蝶と、菊と、桜を頼んでおきました。こちらに届いたら、お電話差し上げます。ここに個人情報を書いてください。」と言い、お客様カードを差し出した。

日本語がギリギリにへんてこ。

さらに、名刺もくれて、その店員さんの似顔絵入りなんですよ。その絵があまりに特徴を捉えていてうまいので、誰が描いたのですかと聞くと、
「僕が書きました。」と彼は言う。
それから、小さなフォトアルバムを袂から取り出し、「これはデザインは僕がしたんです。」と言って、いろいろと着物の写真を見せてくれた。
けっこう斬新なかんじで、半身ずつ白×黒とか、タイガース着物とか、あるサッカーチームをイメージした着物とか、結婚式用とか。

「あなた、絵もこんなにじょうずだし、着物のデザインのセンスも有る。
そこらへんに居る、15分1000で描く似顔絵屋さんより、よっぽどじょうずだよ。
着物デザイナーになったらどう?
あなたのセンスを生かして、もっと世の中に露出していったほうが良いですよ!」と私は彼に云った。

すると彼ははにかんで、
「絵は、むかしから好きで、ドラゴンボールの絵とか僕に描かせたらめっちゃうまいですよ(笑)
僕は恥ずかしがりやだから、デザイナーはムリです。
でも、色彩検定もやってて、色の勉強もしているんです。
そんなに褒められると、照れちゃいますね。」と、私に云った。

「あなたはきっと、右脳のアウトプットが得意なのですね。どう見ても、ニコニコして接客するとか、笑ったりとか、よく喋ったりするタイプではない。それなのに、今日はきっと、いつもより、すごく冴え渡っているんじゃないですか?
なんだか、今日は輝いてますよね。」

私がそういったせいなのかわからないけれど、彼の調子はすごくノッてきたようすで、帯締めと帯を一本ずつ持ってきて、自分の好きな色の組み合わせ方とか、色のつかいかたとか、バランスについて熱心に話していた。

このごろ、初対面の人でも、自分のアンテナに引っかかる人はそこらじゅうにいるんだって事が解る。

熱烈トークを繰り広げ、爽快!
今日も、元気!